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<成人クラスの沿革>
1976年
設立当初は日本語に興味のあるカナダ人向けに日本語クラスを開講する。数年後、国際結婚の家庭の子供もセンターに通うようになり、その生徒の保護者も受講するようになる。当時、日本語を母国語としない保護者が子供と一緒に学ぶことで、家庭での日本語学習の動機付けになったほか、家族からの理解を得ることにも役立つ。

1990年代
日本語に興味のある外部生徒からの需要が高まり、成人クラスは拡張する。創設当時は1クラスのみだったが、この頃には5クラス編成にまで拡大する。

日本語センターでは、1980年中頃にカナダ連邦政府から、1989年にはケベック州政府からの援助金が打ち切られたため(その後国際交流基金やJICAの日本政府の機関からの援助も徐々に削除される)、それ以降保護者のボランティアによる大規模なバザーで運営資金をまかなっていた。当時の校長やその後の運営委員によると、幼児児童生徒が少数だったのに対し、外部生徒が増加していた成人クラスによる収入も、長年にわたりセンターに経済的に貢献していたとされる。 この当時の考えは、児童、幼児クラスの保護者はボランティア制の為、子供の授業料をやや安めに、逆に成人クラスの生徒はボランティアが自由参加の代わり、多少高めの授業料が設定されていたと思われる。

2006年
センター開講30周年記念式典が行われる。元役員のコメントより抜粋
「当時の成人日本語クラスに通ってくる学生は、日本文化に興味のある社会人、日本人と結婚している社会人、高校CEGEPの学生が多く(日本語クラスがケベック州学科に無かった為)、年齢、言語背景、専門分野が大いに異なっていた。とりわけ若い学生は日本のアニメへの興味をきっかけに、日本語学習を希望するようである。成人クラスでも、書き初め、ひな祭り、豆まき、子供の日などの文化行事に参加していた。

2008年
当時5万ドルの預金があり、成人クラスが経常する黒字収益がNPO団体として不適当という判断で、成人クラスを別団体化する案が出たものの、幼児児童クラスの収益(赤字)と合わせ、収支ゼロバランスさせることで、別団体化は必要なくなる。

2015年
幼児児童クラスの生徒の増加に伴い、教室不足を解消するため、成人クラスを縮小する案が議題にのぼったが、賃貸フロアを変更し教室数を確保することができたので、成人クラスの縮小案は必要なくなる。

ー成人クラスの利点ー
●日本語話者ではない父親や母親が子供と一緒に日本語を学ぶことで、家族で日本語を継続して学ぶ動機付けとなる。
●幼少期に継承語として日本語を学ぶことを断念したが、自発的に再び学びたくなった子供の受け皿となる。
●在籍生徒の保護者や外部生徒のほか、中高等部クラスの生徒が日本語学習を継続する場所ともなる。
●今後増えるであろうと予測される日系2世、3世の子供達が学ぶ場所を提供することもできる。
●カナダでは滅多に触れることのない日本の文化行事(子供の日、書き初め、豆まき、ひな祭り)にも年間を通して参加できる。
●モントリオール地域では、他にも成人用日本語レッスンを受講できる所はあるが、日本語センター成人クラスは、子供が日本語を
学ぶ間、親も日本語を学ぶことのできる、唯一の場所である。

ー成人クラスの課題点ー
●成人クラスの大半が外部生徒で占めるため、新しい入講生徒の保護者や成人クラスと関わりのない保護者には、成人クラスの存在や主旨がわかりづらく、理解されていないところがある。
●幼児児童中高等部クラスは保護者のボランティアによる協力が大きいのに対し、成人クラスの生徒にはボランティアを仰いでいないところに、不公平さを感じる保護者がいる。
●幼児児童クラスの生徒が近年増加傾向にあり教室不足が問題になる一方で、学期ごとに生徒数が徐々に減少する傾向にある成人クラスの生徒数は毎年不安定で、少人数で1教室を利用していることがある。